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30新穂高−鏡平−双六

読売新道というのはいい響きだ。北アルプスの一番深いところから、8時 間のくだり。勿論のぼりのタイムなんか考えたくもない。これを、いずれ はやってやろうと思っていた。
今年の山行予定は紆余曲折があったが、脚力に自信のない者同士というこ とになったのでとりあえずバスの不通となった南は見送って、「雲ノ平へ いこうと思っている」なんてメールを送ってみた。これにのっかって読売 新道をやるつもりで計画した。以前にも書いたとおり、あの水晶小屋って やつの予約を取るのが鬱だったが、とにかく小屋が建てかわって大きくなっ たし、電話してみるとあっさり予約が取れたので今年は読売新道をメイン にすえたつもりだった。だが、結果的に読売新道はパスになってしまった。

不安があるのは毎年のことだが、今年の不安はそれとは別物だった。一番 不安だったのは、朝きちんと起きて、日中ちゃんと活動できるのかどうか。 もう、何ヶ月も朝起きてない。まだ終電が走ってる頃起きるか、夕方もう 日が傾いた頃起きるか、どっちかで過ごしている。はっきりいえば、病状 がよくない。勿論何かアクティビティを持つよりも、ふとんの中でぬくぬ くしてる方が幸せだ。山へいって、朝おきて、ごはんが作れなかったり、 シュラフから出られなかったりしたらしゃれにならない。
体力的にも、子供の相手でほとんど山らしい山に登れていない。7月に入っ て至仏山へ行ったら、テントでわずか1泊装備なのにのぼりで足がつった。 こりゃマズいと思って、その後富士山へでかけたら日帰り装備なのにのぼ りで足がつった。リベンジ、と思って再び富士山へでかけたら、再び足が つった。公平に見て今年は縦走どころではない。なんとかならんかと思っ て、たてた計画が鏡平−双六−黒部五郎、という各駅停車の旅。
たぶん、鏡平までは歩けるし、双六も余裕だし、黒部五郎も3時間だ。そ んなペースで4,5日山の中歩いていれば体力もつくはずだという算段で ある。


最終の相模湖駅で山猫さんを拾い安房トンネルをこえて新穂高へ向かいま す。今日の予定は鏡平なので朝一でもいいよと言ったのだが、最終の方が いいらしいので最終電車での集合となった。ここから深夜割引で松本IC まで走って、新穂高へ。

ここ何年かで、白骨やら白川郷やら富山やらへいっているので、栃尾温泉 までは何度かきていますが、新穂高へは3年ぶり。新しい道路も開通した 一方で、駐車場の有料化は断念したようだ。無料の駐車場の2段目の区画 を確保したのが午前4時を少し回ったところ。枠はいくつもあいています。 車移動が低調になったのか、それとも登山自体が低調になったのかは知り ませんけれど、昔はこんなではなかったような気がします。有料化断念の いきさつも多分このあたりにあるんでしょうね。
到着は歩き始めるのにちょうどいい時間でした。新穂高で登山計画書を提 出して歩き始める。少し見通しが良くなったと思ったら足湯と何かの建物 がなくなったらしい。こんな場所でもしばらくこないと様子も変わるもの だ。

入念なストレッチをしてからのスタート。背負ってみると7日分の食料の 入った荷物は意外と軽いです。予定としては、小屋3テント5。もともと テント10で設定したところからバタバタと荷物を抜いたので若干余計に 荷物がはいっています。
ニューホタカの前でゲートをくぐり、林道をテクテクと歩く。新穂高の周 りはまだ光が朝の青みがかっているが、穴毛谷あたりまでやってくると稜 線の青空と緑が、高いところに見えている。
やっぱり、出てきてよかった。

多分、自分ひとりでいたら、おふとんでぬくぬく、というよりぐったりし ているうちに夏を終えてしまったのだろう。とにかく、家を出ざるをえな い状況を作ってくれただけでも感謝である。

出てきてよかった。

ヘリポートを過ぎるとすぐに笠新道との分岐がやってきて、さらに歩くと 新穂高から90分、わさび平で1度目の休憩。山猫さんは何か生モノを買っ ていたようです。
「わっきーさん今日はザックに丸いものは入ってないの?」
いやー丸いものは入ってないんですねえこれが。丸いものはおいしいんで すけど夏はシーズンじゃないんですよだからおいてきたんですよっておい!

もう10分ほど歩くと林道と別れ、少し河原歩きをした後秩父沢へ向けて 登山道は登っていきます。日が出ないうちはよかったのですが、南向きな ので日が出るととたんに暑くなります。石の照り返しをうけながら歩いて 秩父沢で2度目の休憩。水を補給して、大ノマ乗越下の2090で3度目 の休憩。午前中には鏡平についてしまいます。足の方は何ともありません。

1度、ここから逆さ槍ってやつを写真に撮ってやろうと思っていたのです が、体力的に許すのなら小屋よりテントの方が間違いなく財布にやさしい。 1日つめて、双六まで行ってしまった方がよさそうだ。今日は双六まで行 くことになります。

鏡平を後にしますが、意外とフツーに上がれます。荷物が軽いときよりも 荷物が重いほうが調子がいいみたいです。2480付近で1度休憩を入れ て弓折乗越へ。雪田(花見平)は丁度見ごろで褥になっています。南アル プスではこの時期にはもうチングルマは風車ですので少し時差ぼけを味わ います。最後は少しくだり気味に歩いて双六小屋へ。

小屋についたら、ビールですからね。なにしろビールを飲むために山登っ てますから。双六小屋といえば生ビールがうまいんですよこれが#〒§▼ ≧£♂▲♀●■○%#…

ぷはぁ〜〜〜うまぁ〜〜〜

\(^o^)/


山猫さんもう1本飲むんですか?生ビールのジョッキに注いで、と。
あれ350ml缶がぜんぶ入りませんねえ。ずいぶんちっちゃいジョッキ ですねえ\(^o^)/

凸(▼ー▼)凸

というわけで、2杯目は缶ビールです。やっぱりそうか。
それにしても、昔は缶ビールは1本と決めていたのに、トシを取るととも に飲み方が節操なくなってきました。山へ入る日の前日は車を運転するから 必然的に休肝日。まあ、初日くらいはいいことにしましょう。


31双六−双六岳−黒部五郎小舎

昨日予定をつめて双六まであがってきたので、今日は軽い日程です。双六 小屋から双六岳へあがります。中道との分岐をわけて、しばし急な斜面を あがると双六の稜線へ出ます。幅が広くガスっていると迷いそうですが、 晴天の日には最高の稜線です。丁寧に双六岳の山頂に立って、丸山、三俣 蓮華岳と踏みます。時間さえ許せば、このルートはまきみちより断然おす すめです。そして、「まきみち」と呼ぶほど、このルートの大変さには違 いがない。天気が許せば稜線ルートがいいですね。
三俣蓮華の山頂までやってくると、見慣れた富山県整備の道標とご対面で す。いよいよ、というほどの距離は歩いていませんが、でも、富山に入っ て、ぐっと山奥にきたような気分になります。薬師岳と、鷲羽と黒岳の展 望。どれも遠い山だけど、とくに水晶岳は僕にとって遠い山だったような 気がします。ぐるっと回り込んで、あの山を踏むのが今山行の目標です。

三俣蓮華からはくだり。ハイマツの間をくぐって、1時間30分で黒部五 郎小舎へ。テント場からは五郎は見えず、山小屋からは見えます。時折ガ スって展望が途切れます。小屋がにぎわった頃をみはからって、テントの ほうにひっこみました。

1五郎ー黒部五郎岳−赤木岳−太郎平

昨夜少し雨が降ったようですが、今は星がみえています。距離が長いので 4時スタートということで申し合わせて、少し遅れて17分スタート。し ばらくは樹林の中をいきますが、やがて黒部五郎岳のカールの中へ出ます。 絶好の青空のようです。カールの中は踏み跡が錯綜していますが、壁の取 り付きを見据えてそっちの方へ歩いていきます。壁はとりついてしまえば たいしたことはなく、何度か雷を切るとすぐに稜線へ出て、ほどなく山頂 との分岐。ここに荷物を置いて黒部五郎岳の山頂を往復します。まだ朝早 いだけあって展望はまずまずで、いい気分になって戻りました。今日はも う一仕事した気分で黒部五郎岳から下りますが、本当にしんどいのはこれ からでした。2578の登り返しでまずバテバテで、2575へは登りき れずに途中で荷物を投げ出して、昼食にしてしまいます。小屋は見えてい るんだけど、意外と距離がある。それがなかなか近づいてきません。その うち足があがらなくなってきました。2576なんか体力があればいい気 分で歩けるはずなのに、ほうほうの体で小屋に到着です。

小屋へ到着したらビールですからね。なんか山猫さん1Lの缶を買ってい ます。なんかはじける予感。もう1本1Lのビールが追加になりまして、 いい具合にできあがったところで、木道で20分先のテント場へひっこみ ます。それで、テント場でもビール売ってるからって、2人でもう1Lに なりました。買っちゃったものはあけざるを得ないからやっぱりあけた。 よく飲んだなあ。実はそんなには酔わなかったのですが、もう最終日並み の祝宴になってしまいました。
「下山して、高山で泊まってもいいし。いっぱいのめるでしょ。あ、いっ ぱいってのは一杯じゃなくてたくさんって意味ですからね」
この人たちはよっぱらい山行が目的のようです。

2太郎平−雲ノ平

1日予定をつめたので今日は薬師岳往復でもいいのですが、山猫さんあま り薬師にいい思い出がないそう。僕的には薬師岳は好みの山なのですが、 まあここでメインイベント雲ノ平をおあずけにして、1日泊まって往復す るほどの動機はない。薬師岳はパスして今日は雲ノ平へ向かうことにしま す。

朝4時、前に出発して、まだ電気の点かない太郎小屋を通過します。右は 黒部五郎への道。ここを左へ折れると、4時間後には雲ノ平です。

折立から入ると2日目には雲ノ平に立てるし、逆回りでも2日目には雲ノ 平にいける。でもまあ、逆ルートは1度経験しているし、折立へ行ったこ とがないのは僕の自慢。

立山へは行ったことがあるんですけど室堂へは行ったことがないんですよ。
薬師は2回登ってるんですけど、折立へは行ったことがないんですよ。
聖は5回登っているんですけど、椹島へは行ったことがないんですよ。

薬師沢への道は悪くないですが、大きく下ります。あとでこれを登り返す わけですからちょっと悔しいですね。しばらくすると沢音が聞こえてきて、 ほどなく沢を渡って沢筋を歩くようになります。タイムよりだいぶ早いけ どあれもう薬師沢出合へ出たかな?と思って地図を見ると、これは中俣と の出合みたいです。のぼったりおりたり、木道を歩いたりしながらタイム より少し遅れたところで大きな鉄の橋を渡りました。ここが薬師沢の出合 です。
薬師沢出合から薬師沢小屋へはさほど厳しくはありませんが、登ったり降 りたり少し鬱陶しい道のり。カベッケヶ原の平地へ出て、くだりはじめる とすぐに薬師沢小屋です。小屋の位置は地図(昭文社01剣立山)とは違っ ていて、地図に書かれたところの対岸です。薬師沢小屋はなんかちんまい 所に建っていて休憩するスペースにも事欠くので、休憩するつもりならカ ベッケヶ原で荷物をおろした方がいいでしょう。僕らは薬師沢小屋は通過 しました。しましたが、ホントはここで給水しなければいけなかった。そ れを忘れたので、水の量が、足りたのですがギリギリになってしまった。

薬師沢小屋をこえると、すぐつり橋を渡ります。これが、結構えらいつり 橋です。そして、裏手に回ると長いはしご。足が止まります。ヤバい感が あったので、ストックをしまって両手でいきます。
はしごを降り立つと河原へ出ます。今日は晴れ続きなので関係ありません が、増水しているときは高巻道になるのでルート取りに気をつけたいとこ ろです。

河原のわきに↑雲ノ平直登、と書いてあります。ここから一気に雲ノ平へ つきあげます。コースタイムは2時間10分となっているので、僕らの足 だとまず3時間くらいでしょう、と思って時計をあわせます。
最初ははしごまじりのしょっぱいルート。バランスは崩したくありません。 少し尾根が広がってきて落ち着いたところで1度座ります。岩だらけであ まり平らな足場がなく、なおかつ苔っぽくて滑りやすいルートです。登り でもしんどいですけど、このルートは下りには取りたくないですね。前回 きたときは3mゴロンゴロンと滑落して、雨具破きましたから。
展望もあまりなく、目印になるランドマークもほとんどないルートです。 高度計をあわせればよかったのですが、合わせるのを忘れてしまいました。 樹林越しに見える太郎兵衛平の稜線が、すこしづつ目の高さに近づいてく るのが唯一の目安です。

足を動かし続けて2時間10分。あとはロスタイムだなあ。と思った頃木 道が出てきました。木道末端です。タイム通りにあがってきました。でも 木道はすぐ終了してまた歩きづらい岩の道。短い木道と岩と泥を繰り返し ます。タイム取る場所が違ってるかな、と思ってさらに30分くらい歩い たところで、アラスカ庭園の三角点の前へ出ました。ここはもう道標が立っ ていて三角点もあるから間違えようがありません。アラスカ庭園のベンチ でお昼にします。

雲ノ平にやってきた。それも、晴天の雲ノ平。
前回はとんでもない雨だった。今日ははるか向こうの祖父岳までよく見え ています。つきぬけるような青空です。

あれ、でもなんか、足が重いぞ。いちばんの急坂は調子よく上がってきた けど、それで息切れしちゃったのか、なんかお昼に悪いものたべたか?で ももうなんか足があがりません。あの丘の向こうに雲ノ平の小屋があるは ずなのに、と思ってほうほうの体で歩きます。ホントはここは日本で最も 高所の高原を楽しむべきところなのに、見えてるだけに遠いんだよなーと なんか脂汗を流しながら歩いて、ようやく小屋の前にやってきます。やっ てきて、荷物を投げ出して、荷物によっかかります。翌日は高天原泊まり じゃなくて、空身で高天原往復で雲の平テント、と申し合わせたので2泊 で申し込みます。高天原も泊まってみたいと思わせる山小屋だけれども、 1泊約1万円が他人の口上で節約できる誘惑には勝てず。
山猫さんがビール頼んだので、つきあいで1本頼みますが、大きい方は胃 が許さない気がしたので、小さいほう。口をつけると頭がガンガンしてき ました。ヤバい、風邪だ…

というか、これ脳水腫だったりしないよな。もう4日目なのになんかテン トに入ると息苦しい気がしていつまでも高度慣れしない気がするし、肺水 腫はいちおう症状知ってるけど、脳水腫はどうだったかなあ。あーんーで も咳も出てるし、これは多分風邪。とは思いつつも、少し弱気になってし まいます。とりあえず、少しザックによっかかってぐったりしよう。

…と思ったら、テント場いこうテント場っておいおい。この状況で歩くの かよ。仕方ないなあ、と思ってザックを拾いますが、30分離れたテント 場まで何度立ち止まったことか。とにかく、無事テント場までやってきて、 テントは張れました。頭がガンガンするけど、2泊で明日はテントあける んだからと思ってしっかり張りました。
場所は、たぶん前回と同じT字路の角です。多少うるさいけど、水場へい くにもトイレへ行くにも便利なところです。あーこれで落ち着いた。

「すいません、水場はどこですか?」
えーっと、そこ上がったトコ。
「水場はどこですか?」
そこあがったとこです。
「水場は?」
「水場はドコ?」
……その上。

次々に人がやってきます。小屋どまりの人で、次の小屋が水のない水晶小 屋の人なんだろうね。しばらくはつきあっていたけど、だんだん戦慄を覚 えてきます。水晶小屋、改装したといっても定員30人だろ。水汲みにき た人は100人近いよな…なんか雲ノ平山荘のわきに、「水晶小屋は1畳 2人以上です。予約のない方は云々」って、木の看板立ててあったし。紙 とかの掲示じゃなくて、木の看板だってことはこれ、1畳2人以上が恒常 的だということだろ…

山猫さん、俺明日行動無理だから1人で温泉いってきて。それからさ、水 晶小屋さ、1畳3人とか言われたら泊まるのヤでしょ。明日小屋通ったと き、宿泊者数確認してさ、あんまり混んでるようだったら小屋キャンセル しちゃってもいいや。読売新道やめて、三俣のほうへ行くことにしよう。


弱気だったし、でも、1畳3人とかの山小屋には泊まりたくない。立地的 に制約があるのはわかるんだけど、こっちも予約した上でオカネ出すんだ もんなあ。ということで、結局読売新道はキャンセルしてしまった。温泉 は明日の体調を見て明日判断するけれど、まず十中八九ダメと見ていいだ ろう。ここにきて、何か弱い山行になってしまったような気がした。

今年は、少し期間は短く設定するけれど、読売新道を絡めてハードな山行 にするつもりだった。だけど、それがなくなると、なんか締まらない山行 だなあ。だけどさ、1万円の山小屋なんか、ただでさえできれば泊まりた くないじゃないですか。それが、横になれるんだかなれないんだか、トイ レにいったあとも寝るスペースがあるのかどうかもわからんような状態に 1万円払うのは納得いかない。

とにかく、ここは気合で治して、明日の温泉に賭ける。と思ってさっさと 寝ます。夕方、山猫さんが山小屋までいってきて、薬をもらってきてくれ ました。

3雲ノ平停滞

テントから顔を出してみる。原色の青と白しかない。暑いのでフライだけ はあけてあるが、さりとて外へ出るような体調でもなくひっくりかえった ままでいる。周囲のテントはおおかた出払って人気もなくなった。
温泉行くかどうか聞かれたけれど、結局断った。

山猫さんはどこまでいっただろうか。ちらと時計を見る。5時に出ていっ て、3時間も回ればもう温泉にも入っていることだろう。夢の平とかいう 別天地でお湯につかる。1日2日3日4日、歩いて、結局肝心なところで 温泉はナシになってしまった。去年と一昨年と低調な年だったのに、今年 も何か良くなくなってしまった。
絶好の青空で、テント場の入り口までのぼりかえせばたぶん黒岳なんかが こうバーンと目の前に見えたりしていい気分になれるのだろう。だが、高 山の風邪は呼吸器に効く。空身でトイレまで下って、登り返してきただけ でぜーぜー言うような状態である。温泉どころではない。まず、帰れるか どうかを心配しないといけない。

なんで、山はじめて初の山中の風邪が、よりによってこんな登山口から遠 い雲ノ平なのかなあ。ちらっと、ヘリで下山が頭によぎる。勿論僕は山岳 保険には入ってはいるのだが、実は病気理由の場合は保険がおりない。夏 の保障が手厚いのと、僕が入った当時は個人で入れる山岳保険なんかこれ くらいしかなかったから入っているけど、本当は保険見直さないといけな いのかもしれんなあ。

手元のパブロンの袋を眺める。その数、二袋。2袋しかないからうまく使 わないといけない。一包飲めば4時間くらいは効いているはずだ。隣の三 俣山荘まで歩けば診療所があるから、とにかくこの間を薬で散らして歩い てしまえばいい。双六までいければ自力下山する自信がある。

人生はじめての停滞。起きて、寝て、ぐるぐるを繰り返す。2時をすぎて、 そろそろ心配になってきた。空身でいったんだから、ひいふうみい…もう 帰ってきてもおかしくない頃だ。大丈夫かなあ。鷲羽の登りはちょっとルー ト的に厄介だよなあ。なんて思いながら気象通報取る準備をしていると山 猫さん登場。よかった無事に帰ってきました。おみやげのビール片手に。 で、言うには、「温泉までは時間がなくて回れなかった」っておいおい。 山なんかいつでも登れるけど、日本最奥の温泉はここにしかないんだから、 温泉が優先でしょう。でもまあなんか内心、よかったと思ったりします。 明日、体調がよければ改めて温泉いこう、って言えるんだもの。

気象通報は太平洋高気圧を伝えません。この夏は安定しない夏のようです が、明日あたり崩れてもおかしくはないでしょう。

4雲ノ平−双六

天気図通り朝から雨になった。風邪は少しいい状態になっている。できる ことなら温泉へはいきたい。山猫さんはわざわざ散財することはない、な んて言っているが、なあにこの日のために働いているんだ。せっかくだか ら高天原の山小屋に泊まろう、なんて、のど元まではでかかるのだが強気 には出られない。

手元の食料からいって、高天原まで行くと小屋2泊になるのは確定だ。1 泊目はこの日のためだが、さすがに2泊目の散財は言い出しづらい。雨の 露天風呂だし、雨の中行動して風呂入って高天原で風邪をこじらせたりす ると本当にヘリ下山になってしまうから、ここは温泉をあきらめて下山地 へ向かうことにする。目標は2時間30分先の三俣山荘。三俣山荘泊まり だったら、体調によっては再び高天原へ向かうこともできる。
その先、雲の平から都合5時間の双六までいければ翌日下山できる。2時 間30分か…いや、どうかなあ。
途中ビバークだけは避けたい。もう1日停滞した方がいいか。でも山荘ま で雨の中往復40分歩いてテントの延泊の受付をするのも同じような気が した。

空身だと歩くのはしんどいが、なぜか荷物を背負うと平気になる。テント 場から分岐のところまであがったところで、思わずやっぱり高天原行こう、 との言葉を飲み込んだ。三俣山荘へ向かって歩き始める。

しばらくは高原の上を歩いて、いるようだった。だったというのは、雨に 包まれて周囲の状況はよくわからんかったからだ。前回も移動日は雨にあ たった。多分雲ノ平とは相性が悪いんだろうね。で、周囲ではなく時計を 見ながらの行動。タイムと思われるところでスイス庭園との分岐。結構の ぼったりくだったりしながら、時間をはるかに過ぎたので祖父岳との分岐 は過ぎちゃったのかな、と思った頃、ようやく祖父岳との分岐。そういや、 祖父岳も前回登り残しになっちゃって、今回も登り残し。ペース的には今 日はだいぶしんどい日になるかな、と思ったのだが、祖父との分岐を過ぎ てから、だいぶタイムより速い時間で黒部の源流へ出た。

源流碑から三俣山荘へは登り返し。さほどきつくはない登り返しのはずだ が、のぼりにかかると山猫さんに引き離される。もうどっちが年配だかわ からない。少し遅れながらついていって、何度か渡る沢が細くなってくる と、まもなく見慣れた三俣山荘との分岐の道標にやってくる。

温泉も読売新道もパスになってしまったので、せめてもと思って、また今 年もケーキセット。荷物をデポして小屋へ向かいます。三俣山荘の展望レ ストランは2F。クラシックの流れる部屋は晴れていれば窓からいろいろ 見えるのだが、今回もあいにく。山小屋の下界化が進んで久しいが、まあ こんな小屋がたまにあっても悪くはないだろう。というわけで、ケーキセッ トください\(^o^)/
無事ケーキセット完食です。

結局この日は双六へ行くことになりました。三俣山荘から双六へは巻道へ。 意外とアップダウンの多い時間のかかる巻道ですが、タイムを少し切るく らいで双六の小屋へやってきます。すでに雨はほとんど止んでいます。小 屋前で、生ビールは悔しかったのでワインにしてみました。味なんかろく でもないが、1mlあたりのアルコール量はビールの倍だからお徳です。と いうか、どうせ置くならもうちょっと品質の高いの置けないのかなあ。僕 だって普段そんなに高いの飲んでるわけじゃないし、下界でハーフ 7,800円くらいのものなら十分飲めるはずなんだけど、ちょっとこれ はいただけませんでした。今日もアルコールはこれだけで、ビールには手 が出せませんでした。

「下山したら…何食べる?」
毎日毎日カレーで、何日味覚が持つかなあ、と正直心配していたのですが、 山へ入ってしまうとカレーでも結構平気なものでした。ただ、いかんせん 量が少ないのですぐ空腹がやってくる。下界へおりて、体重計に乗ってみ たら大台突破で3kg増というのはびっくりしました。むくんで水ばかり 飲んでいたのが原因みたいで、あっという間に戻りましたが。
最終日が近くなると、精進落としのメニューが気になるものです。松本は 徒歩で歩いた道だから、知ってる店もいくつかある。まあ、1人なら順当 にいけば上高地の日替わり定食なのだが、山小屋泊まりが0だったから少 し財布も暖かい。
「エビフライでいい?」
これです。R158沿いの右側にね、エビフライの店があるんですよ。あ さってはお店の営業している時間に下山して、エビフライで決まりです。

5双六−笠ヶ岳

隣まで5時間少々なのに4時スタートという素敵な日です。風邪が少し落 ち着いたのと、頭痛を散らす風邪薬がもう1包あるので、天気がよかった ら笠までいっていいよ、という算段で笠までいくことになりました。まあ、 雲ノ平だけでは少し山行も締まらないし、僕も笠はだいぶ長く行っていな い山だ。天気図からはそんなに天気がよくなるようには思えなかったのだ が、山猫さんの「大丈夫だから」に騙された。

1時間と少々は、1週間前に歩いたルート。天気がガスっぽかったのでど うするかなあ、と思っていたが、分岐のところで迷うことなく笠への道に 入りました。覚悟を決めてついていきます。
大ノマ乗越から大ノマ岳へののぼりかえしはかなりしんどい思いをします。 秩父平で長休止にはいりますが、ここから2667わきへはいい気分で登 ります。下から見たときはちょっとヤな雪渓の出方がしていたのでヤバい かなあ、と思ったのですが、到底滑落しそうな感じではなく、バッチリス テップがきってありました。靴に紅ガラがついてしまう位マーキングして ありましたが、時期的に6月とか、早いと何もないかもしれないですね。

上へ上がると、まだだいぶ遠いな、という気分になります。抜戸岳は登っ たことがあるし、その先の稜線は歩いたことがあるんだから、あれがどこ、 というのはだいたいわかります。遠くに思えた笠新道との分岐も足元にし まして、ここで大休止です。風邪薬が切れてきたようで頭痛が再発してき ました。今日は朝も含めて比較的調子がよかったんだけど、風邪薬が抑え てたのかなあ。
テント場は標高的には笠新道の分岐と同じくらいですが、結構登らされた り下らされたりします。タイム通りきっちり1時間歩かされました。おっ いいテントスペースがあるなここに闇テンしちゃおうか、と思って見上げ たら、そこにテント指定地の看板が立っておりました。

しっかりテントを張りまして、水場を偵察した後空身で山荘へいきテント の受付。その後山頂を往復。ガスっぽくて最後のピークとしては物足りな い感じでした。僕がはじめてきた年には、もっこでくるまれていた祠も、 風雨に晒されてだいぶ色あせていました。祠とおなじだけ、僕も齢を重ね た。たぶん、もうここへくることはないだろう。

おりてきて、また笠ヶ岳山荘の前でひっくり返ります。とてもビールとい う気分ではなくビールは飲まずにテント場へ。なんだろうかなあ。高度と は連動してない感じだから、やっぱり風邪なんだろうなあ。

少しテントでひっくりかえってると調子がよくなってきました。上を見上 げます。ビールの高い山だなあ。どの位高いんだ?うーんと、150mく らいかなあ。なんですかその単位は。いや、ビールを買いにいくのに 150m位歩いて登らないといけないから。いやーこの高さではビールは 買えないな。今日は休肝日確定です。


テント場から見る笠の山頂は、ガスがかかったり晴れたりめまぐるしく様子 を変えるが、山の姿だけは変わることはない。最終日にここでテントの中か ら山と対峙する時間が持てたのはいいことだった。双六からは下界が近すぎ て、下界のことばかり考えるようになってしまう。

4時の気象通報もとって、もうだいぶいい時間になってきた。まだ登ってく る人はいる。前にもメールをもらったことがあるが、一体何を楽しみに上がっ てくるのだろう。17時について、荷物を置いたら夕食。夕食が済んだら寝 て、寝たらもう翌朝だ。すぐに隣のテント場についてしまうのでつまらん、 とかいう言い草をしていたが、僕はすぐに隣のテント場についた方がいいん だよ。午前中には隣のテント場について、そのへんで山を眺めていたり歌っ たり隣の人と話したり、そのほうがよほどいいんだ。

僕にも子供ができて、もうそう簡単にはでかけてこれなくなる。何か機会は あるかもしれないけれど、今まで通りとはいかないし、もし、本格的に山に 戻ってくることがあったとしても、次に戻るときには立派な中高年登山者の 一員になるわけだ。
そろそろどこかで幕をひいて、引退を考えないといけない時期になった。そ れが、本当にこの山行でよかったのだろうか。

6笠−新穂高

トイレへいきたくなった。2時30分起床で、撤収の準備をしていたのだが、 突然催してきた。あたりは一面の霧。勿論真っ暗だし、道なんかわからない。 下山してからいくか、なんて悠長なことを考えていたら本気で行きたくなっ てきた。ビールが高いのはいいのだが、トイレも同じ高さだ。なんか今時行っ たら遭難しそうである。でもいかないわけにもいかない。
どうせ霧だから約束の4時には出発できない。出発時刻を4時30分に変更 してから、意を決して、雨具を着こんででかけた。ハリネズミ式にペンキを 拾って、ようやく山小屋についたときには脂汗だった。

テントに戻ると、外は薄明るくなっていた。薄明るい山のむこうに、槍が見 えていた。ぎりぎり空を覆う雲がかからない高さ。この山は、展望のいいと きにこなければならない、と改めて思った。

杓子平からは展望のきかない厳しいくだり。テント場を出るときは雨具を着 こんでいたが、もう雨具は要らない大晴れになった。笠新道入口の水場で喉 を潤したが、その味は少しほろ苦かった。

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写真 新穂高のバスターミナル
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写真 わさび平の小屋
写真 林道を歩きます
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写真 鏡池から槍
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写真 鏡平山荘
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写真 双六のテント場
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写真 双六小屋
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写真 双六稜線
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写真 ライチョウ
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写真 黒部五郎小舎
写真 五郎のカール
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写真 五郎の肩より五郎
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写真 太郎平付近のお花畑
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写真 太郎平小屋
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写真 笠ヶ岳遠望
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最終更新日: 2016/07/22 by htmltophp.php




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