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七月二十八日(縦走二日目) 
茶臼小屋〜上河内岳〜聖平

山の上というのは実に快適なものです。何が快適かというと、煙害に巻き 込まれることがありません。煙害が原因でアタマ壊して会社をやめた人間 にとっては楽園のような場所です。高い山へ行けば行くほど、喫煙者の数 は目に見えて減っていきます。
今、テント場に座ってくつろいでいます。で、隣から煙が流れてきます。

 昨日予定をつめて茶臼小屋まで上がってきましたから、今日の目的地聖平までのコース タイムは四時間。今日は休養日ですが、休養日にしても軽すぎる日程です。 せっかく昨日上がってきたので、日の出を見ようと思って朝早く薄明かり の中歩いて登ります。稜線までは一〇分か一五分くらい。ここで左の茶臼 岳方面へいけばうまい具合に日の出が見えたはずなのですが、右の聖平の方へ向かってしまいました。この ルートは稜線の西側に登山道がついているので、上へ上がらなければ日の 出が見えません。少し頑張って歩きますが、東側が目に入るようになるの は残念なことに日が上がった後でした。しかし、朝の斜陽の中で見る稜線 は素晴らしい印象です。斜光で山襞の彫りが深く見える時間は、より山がかっこよく見えるものです。そして、右手には富士山が見えています。

 南アルプスが、北よりも魅力的だなあ、と思うのは、やはり富士山が間近に見えることが大きいと思います。縦走路のたいていの場所で、富士山が見守ってくれる。それだけでも何かいい気分になるものです。

 上河内岳(かみこうちだけ)は、縦走路から少しはずれていますが、空身で五分ちょっとの距離。スルー してしまう人も多いみたいですけど、このピークがなかなか良い味を出し ている。そして何より、これが今山行最初のピークになるので踏まない手 はない。聖岳方面からやってきて先行している二人の荷物の脇に、だいぶ大きさの違う荷物をお いて空身で上河内岳を往復します。山頂からの展望は三六〇度で、目の前には明日行く聖岳が よく見えています。そして、見渡す限り山。下界の街はもう見えません。もう、僕は下界から切り離された山の中にいて、しばらくは下界とは縁を切る。次に下界へ下りるとき、どんな思い出を背負って、どんな自分になっていることだろうか。

 軽く満足した後は肩へ戻って聖平へ向かいました。上河 内岳の北側は二重山稜になっていて、この間がお花畑。注意してみれば、 南アルプスでもあちこちに花が咲いているものです。のんびり歩いて、南 岳をこえたあたりから樹林に入ります。
 午前九時には聖平に到着してしまいます。天気もいいことですし、気分的にはもう三〜四時間歩いておきたいところですが、隣の山小屋(百間洞)までは普通に歩いて八時間かかります。途中の小兎 のところに天場と見まごうばかりの快適なスペース(水場つき)があるの は知っていますが、幕営を許可された指定地以外では幕営しないのもルールです。インターネッ トで記録を公開する都合上、指定地以外での闇テントは極力避けておき たい。今日はここまででいいでしょう。

 まだ小屋の清掃をしているような時間にテントの受付をすると、やはりこ こでもお茶とお菓子を出してくれました。前にきたときはそんなサービス はなかったと思ったので、やはりしばらくこないと様子も変わるもんだと 思います。以前は自炊組は旧小屋をあてがわれていましたが、自炊組もあ たらしい小屋に泊めるようになった様子です。
 旧小屋裏の手前側、毎年同じ場所にテントを張るのですが、今年もやはり同じスペースにテントを張って、朝っぱらからビー ルを飲みます。聖平も静かだなあ、と思っていると、お昼を過ぎる頃から 続々と人が集まってきました。でも、例年ほどの賑わいはないような気が します。少し登山ブームも下火になった感です。例年であれば大抵いる学 生団体も今回はいませんでした。
そんな中、お隣にテントを張っていたのは甲斐駒から入山して、テント背 負って光経由で寸又峡まで行くという六七歳の人。最初は四〇キロ背負っ て、すでにガス缶が三つ目だそうです。茶臼〜仁田池〜光岳〜光岳登山口〜 林道中間、と、下山地で家族と落ち合う都合上あと五泊するそうですが、 まあここまでくれば成功というところでしょう。甲斐駒からにしては荷物が重すぎますが、こういう人を見ると勇気づけられるものです。僕は…僕は出発したばかりでまだ先が見え ません。どこまでいけるかわからないですから、少なくとも南アルプスを抜けるまではどこまで行くかは口外しないようにします。甲斐駒まで行くんですと話をあわせておきます。
似たもの同士ということで、ビール一本おごってもらって夕方まで話し込 みます。何か一風変わった登山をやっている人との話は面白いものです。昼間までは聖方面の展望もありましたが、夕方にはガスってきて しまいます。明日の天気はあまり良さそうではない感じです。少し不安を かかえながら就寝に入りました。

*コースガイド

 茶臼小屋〜聖平間は、短いながらも亀甲状土、奇岩竹内門、上河内岳、二 重山稜のお花畑と見所に事欠きません。聖岳の展望もすばらしく、ゆっく り歩きたいところです。横窪沢から上がってくる場合は少ししんどい日程 になりますが、茶臼小屋からなら楽勝です。
余力があれば茶臼岳(空身で往復三〇分程度)へ行ってみるといいと思い ます。僕は茶臼岳へはすでに二度登頂しているので今回はパスしてしまい ましたが、すぐそこのピーク。パスしてしまったのはもったいなかったな、 と思っています。

 茶臼小屋〜聖平間で危険なところや迷いやすい所はないと思いますが、森 林限界上の稜線ですので雷につかまったりすると逃げ場がありません。天 気だけ気をつけておでかけください。

区切り線

写真 小屋を出発するときに撮った写真
写真 聖岳方向を眺めます。
写真 朝日があがってまいりますが、日の出は見ることができませんでした。正面に見えているのは富士山。
写真 亀甲状土のようす
写真 えっと、お花畑のあたりから上河内岳を見る
写真 花です
写真 奇岩竹内門のあたりと思います
写真 花です
写真 上河内岳の山頂に立ちました
写真 中央左に見えるのが聖岳、その奥が赤石でその向こうは悪沢ではないかと思います。
写真
写真
写真 花です
写真 えーっと、多分上河内岳方向を見た写真だと思うのですが…
写真 新静岡〜畑薙第一ダム間のバスの時刻


最終更新日: 2016/07/22 by htmltophp.php




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