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七月二十九日(縦走三日目) 
聖平〜聖岳〜兎岳〜中盛丸山〜百間洞山ノ家

 登山者の朝ははやく、大抵は日の出とともに出発です。その中でも、僕は出発が早いほうだということを自負しています。夜中に食事をして、だいたいヘッドライトをつけて出ていきます。しかし、ヘッドライトの電池も消耗品 です。電池の消耗を抑えたいので、五時をまわってヘッドライトをつけず に歩けるようになった頃の出発にします。

 今日は小屋の間隔の長い南アルプスでも、とびきり長距離になります。聖平から、隣の山小屋(百間洞)まで、八時間のコースタイムです。小屋着が少し遅い時間になることが予想されます。

 本日の周囲の展望は、真っ白の大ガス です。薊平あたりは道がいいですが、小聖の直下あたりは両側が切れ落ち ていて注意が必要です。周囲がまったく見えないので高度計の数字があがるのを励みにして、じっと耐えて登ります。約三時間、標高差八〇〇mの道程を登って、聖岳にやってきました。が、下るルー トさえ不明になるほどの厳しいガス。聖平への道標もちょっと風化して字 が消えかかっている感じです。何度か歩いたことのあるルートなので道を間違ったりはしませんが、はじめてだったらかなり心細いことでしょう。

 聖岳の奥に、奥聖岳というピークがあって、往復三〇分。天気さえよければ天空のスカイトレイルが楽しめる、天空の山と呼ぶにふさわしい場所です。しかし、この天気では行っても仕方がないでしょう。下 りにかかります。聖岳からの下りは崩壊地の淵を進むようなところがある ので気を締めなおしていきます。周囲の石が赤色のラジオラリヤになってくると最低 鞍部は近くなります。最低鞍部の左側が切れ落ちているので注意して通過 します。
 最低鞍部をすぎると、兎岳へのしんどい登り返しになります。南アルプスでは、聖岳は文句なく横綱級だけど、名の通ってない兎岳のピークも量感は関脇級くらいはある。最初からしんどいつもりで覚悟を決めていきます。しかし、あっけなく登ってしまいました。もっと苦しかった記憶があるのですが、今日は 日が照っていないせいかもしれません。この区間は、三時間のコースタイムを残して水が尽きた年もあった。腕にひぶくれができて、毎日水泡が増えていった年もあった。今年の霧は、恵みの霧になったように思います。

 そして、兎岳を過ぎると、さらに関脇級の中盛丸山が待ちかまえている。登山仲間では、無駄にキツいことを中盛丸山というらしい。その、中盛丸山。さすがに三つ目のピークは辛かった。ちゃんと、南アルプスでは最後には辛い思いをできるように登山道が作られているのかもしれない。
 中盛丸山をこえたら、あとは稜線を離れて樹林の中を小一時間で百間洞に到着です。たどり着いた百間洞では、「とりあえずビール」ああ、昨日も二本飲んだ のに、今日もいってしまうんですか…

 百間洞は、露営地と小屋が五分くらい離れています。露営地は場所指定制 で好きなところに幕営できません。僕があてがわれたのは昨 日聖平で同宿した人の隣でした。水場とトイレは小屋にしかありませんの で、この間の長い距離を何度往復したことか。露営地からは天気がよければ大沢岳が 見えるのですが、これも見えたり見えなかったり。今年の台風一過は長続 きしない感じがします。明日の天気もあまり期待できそうにありません。

*コースガイド

 聖平〜百間洞間は、コースタイムで八時間一〇分あり、しかもアップダウ ンの多い厳しいルートです。しかも、小聖岳近くの稜線は左右切れ落ちて おり、また聖兎コルあたりにも切れ落ちている場所があり、注意が必要な 場所もあります。聖平から百間洞へ向かう人は、早立ちするようにした方 が良いでしょう。兎 岳をこえてしまえばあとは難しいところはないと思いますが、稜線上です し、ここを通過する時刻はそんなに早い時間ではない筈ので雷には注意が 必要です。
僕の手元の地図では、聖岳直下に危険マークがついていますが、百間洞へ 向かう場合ここは登りになるので危険はありません。往復の場合下りも歩 くことになりますが、まあ多少注意が必要な程度で、せいぜい転んですり むく程度とおもいます。
 長期縦走の場合は、南から入るとこの日を食料の減ってない重荷で歩くことになります。北からだとだいぶ食料が減って軽くなった日に歩く。他のルートを勘案しても、南から入った方が難易度は高いだろうと感じました。

区切り線
写真 朝からこんな天気で日の出はのぞめません
写真
写真 花です。ウスユキソウかな
写真 聖岳にやってまいりました。ガスで何も見えません
写真 花です
写真 兎岳
写真 えっと、多分中盛丸山方面の稜線ではないかと思うのですが
写真 トリカブト。もう咲き始めています
写真 百間洞山ノ家の様子


最終更新日: 2016/07/22 by htmltophp.php




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