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七月三十日(縦走四日目) 
百間洞山ノ家〜赤石岳〜大聖寺平〜荒川小屋〜悪沢岳〜中岳

 南アルプスの朝は早く、小屋も四時半に食事を出すところがほとんどです。 僕の脇を小屋組が出発していく足音で目を覚まします。朝食はしっかりとっ て、ガスに覆われた静かな山へと踏み出します。
 百間平までは少し厳しい 登りで、そこから赤石岳にとりつくまではあまりアップダウンはありませ ん。百間平は夕方歩いてきて、ふりかえって西日の赤石岳を見ればいい気分になれる場所でしょう。しかし、今日は展望がありません。僕はだいたい南アルプスでは好天に恵まれることになっているのに、今年はなかなか好天をつかまえることができません。

 緑色のペンキマークに導かれて歩き、赤い岩がゴロゴロした所までた どりつくと、いよいよ赤石岳への登りにかかる。この登山道がトラバース から直登へ向きを変えるところに道標が立っています。コースタイム入り の静岡県の立派な道標で、山頂までは三十分。ここから二時間だったかな、と記憶していた僕は一気に色めきた ちます。せーの、ガンバ、ガンバ、と思って稜線に出ますが、あれ?まだ もうちょっと先だっけ。もうちょっと先だっけ、と思い足を動かし続ける ことほぼコースタイム通り。すぐ目の前にガスの中から山頂の赤石岳の山頂が見 えてきます。これで赤石岳の山頂にも立ち ました。好天であれば一面の大展望ですが、あいにく今日は展望はまった くありません。

 ここから先は、僕が南アルプスで一番好きな場所です。荒涼とした大聖寺平と青空との組み合わせ。そして、荒川岳のお花畑。どちらも南アルプスでは一番の見所でしょう。赤石岳から大聖寺平へ下って、ほどなくして荒川小屋へやってきました。 荒川小屋はカレーが名物なので、当然、今年もカレーを食べます。小屋で食事を頼むのは反則なような気がしますが、これ を楽しみにして南アルプスを歩いているのですから、まあこの位は許されたいとこ ろです。

 …が…あれ?営業してますか?確かこの辺からカレーが出てくるんだよな、と 思ったところを覗いてみても、人らしき姿は見えません。小屋の中の方へ 回ってみても人影がないように見えます。でも、これを楽しみに 何日も歩いてきたんだ。だから、カレーを頼む。山を歩く以上に強い意志 が感じられます。ほどなくして、無事カレーを頼むことができました。ちょっ と量は控えめでしたが、荒川小屋のカレーをおなかに入れて、これでもう 今回の山行は果たした気分にひたります。

 食事をしている間に、少しだけですが天候が回復したようにも見えます。 次はお花畑です。
 今日宿泊予定の中岳避難小屋には水がありま せんので、荒川小屋で二Lの給水。ザックはずっしりと重くなりました。 淡々と登っていきますと、お花畑がやってきます。例によって、白いの(ハクサンイチゲ?)と黄色いの(ミヤマキンポウゲ?)で珍しい花では ありませんが、お花は一面です。そして、隅のほうにひっそりとクロユリ が咲いていました。
 稜線にあがるとほどなくして中岳避難小屋です。で、小屋の受付…あれ、どっかで見た顔だな。と 思ったら、三年前の小屋番さんと変わっていませんでした。三年前はずい ぶん若い人が入ったな、という印象だったのですが、一年限りのアルバイ トじゃなくて、結構続いていたんですね…あの時と大分印象も変わってい て、お互い年をくったものです。

 小屋に重い荷物を投げ出したら、空身で悪沢岳往復です。マスの大きな、秀麗な山です。登頂はもう四 度目で、主稜線からだいぶ外れていますから、もう行かなくてもいいかな、という気もするのですが、まあ天気も悪くないこと だし、ビールの前に行ってみることにします。いってくれば思い残しもなくビールをおいしく飲める。って、また今日もビール飲むつもりなんですねぇ。山の上のビール、おいしいもんね。でも、そろそろ休肝日とらないとまずいんでないかな?

 一時間半ほどで悪沢岳を往復して、今日は避難小屋ですからテントを張る必要もあ りません。あと今日の仕事はビールを飲んでへべれけになるだけです。丁 度小屋の前で宴会をはじめているグループがあったのでそこに混じります。 一昨日のビールに引き続いて、今日もおつまみをごちそうしてもらいまし た。長期山行では殆ど生ものは食べられません。ありがたいことです。

*コースガイド

 百間洞〜赤石岳間でこそほとんど人とすれ違うことはありませんが、赤石 岳〜荒川小屋〜中岳間を歩く人は大勢います。
この間はとくに危険なところはないと思いますが、大聖寺平付近でガスが 出ていたときは道迷いに注意が必要かもしれません。正面の稜線沿いに大 きなケルンがつんでありますが、登山道はこちらではなく、稜線の右側に 沿ってついています。しんどさは、南アルプスの中では普通くらい。多分 道標のところから赤石岳へ登る間はかなりしんどいですし、ダマシ平あた りから荒川小屋へ下るのもかなりひざにくることでしょう。で、ひざにき た所で荒川小屋から中岳への二時間ののぼりかえしもかなりしんどい。

 普通は荒川小屋泊まりにすると思いますが、荒川小屋泊まりだと翌日悪沢 岳を踏んで三伏峠へいくのは結構しんどい行程になる可能性が高く、中岳 まであがってしまえばその日のうちに悪沢岳を踏めるというメリットもあ ります。また、中岳は稜線の小屋なので日の出が期待できる点も見逃せま せん。南アルプス南部としては小屋の多い地域ですので、あとは自分の足 と求めるもの(食事か展望かもしくは花か)に応じて泊まる場所を調整す ればいいでしょう。

 水場は、百間洞をすぎると次の水場が荒川小屋までありません。荒川小屋 の上手、中岳方面に三〇〜四〇分くらい行ったところに水場がありますが、 これが最後の水場で、中岳、赤石避難小屋には水場がありません。
 中岳から悪沢岳の往復は基本的に空身でもかまわないと思うのですが、さ りとて空身でも往復二時間あります。天候によっては雨具とサブザックくらいは持って いった方が良いでしょう。

区切り線
写真 シャクナゲからスタートします。
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写真 赤石岳へののぼり。ガスっていて上の方がよく見えませんでした
写真 赤石岳避難小屋の様子
写真 赤石岳の山頂にはなにやら真っ赤なペンキで書かれた道標が。
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写真 悪沢岳が正面に見えてまいりました
写真 大聖寺平方面を写したもの
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写真 花です
写真 …ごめんなさい、どこから撮ったか忘れてしまいました
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写真 花です
写真 くるまゆり
写真 ライチョウです
写真 こっちにもライチョウがいました
写真 悪沢岳の山頂
写真 笊が岳方面の展望だと思うのですが、イマイチ自信なし。
写真 中岳避難小屋のトイレが新しくなっていました
写真 悪沢岳と富士山


最終更新日: 2016/07/22 by htmltophp.php




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