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八月二日(縦走七日目)  
熊ノ平〜三国平〜間ノ岳〜北岳〜中白峰ノ頭〜両俣小屋

 今日からしばらくは途中で拾った相方との二人での登山になります。たとえ途中で拾った人でも、誰か一緒にいれば心強いものです。

 小屋の朝食前にテントを撤収して小屋泊まりの相方を待ちますが、先に行っ てくれとのことなので先に出発します。三国平までは軽快に登りますが、 三国平から三峰岳の間は手を使わないといけないちょっとしんどいルート。 三峰岳あたりでは絶好の好天をつかまえます。

 どこまでも高く青い空。夏山の醍醐味。そして富士山も見えました。ようやく、見慣れた南アルプスと対面です。しかし、夏山の天気は持って一〇時までだということも知っています。

 三峰岳をすこし越えたとこ ろで休憩に入り、さらに少し歩いて間ノ岳へ。間ノ岳では北岳山荘から登っ てきたと思われる人がすでに大勢くつろいでいます。こんなに大勢の人を 見るのは塩見以来です。要するに、はっきりいえば深田百名山の最短ルー トには大勢人が群がる。そして、百名山とは関係のない場所になると一転 して人がいなくなる。従って、間ノ岳は混雑する、という具合です。とは いえ、間ノ岳は非常に大きな山頂を持つピークですから、平日のこの日の 入れ込み程度で山頂で混雑を感じるようなことはありません。
 山頂で少し休んでいる間にここで相方に追い越されます。中白峰あたりで は必死になって追いすがって行きますが、相方は北岳山荘で食事に入ると のことで、頑張らなくても実は僕の方が先行することになっていた次第で す。
 いかに大きな荷物の似合う南アルプスといえど、ザックの大きい人はやはり目立 ちます。中白峰から北岳山荘へ下るところで九〇Lはあろうかというえら く大きなザックを抱えている人がいたので、どこまで行くのか聞いてみた ら、農鳥小屋から大門沢を下るんだと。それって、白峰三山縦走ですか。あのー、 白峰三山やるのに、そんなにおっきいザックは必要ないような…僕のザッ クとほとんど同じ大きさに見えるんですけど。

 僕が今回用意したザックは、ロウアルパイン・コントワー4です。今日び の装備であれば、四〇L級のザックでテント泊山行ができる中、容量は驚 異の一〇五L!三桁ですよ、三桁。天泊装備が、下の気室に全部入りきる 大きさです。
冬用の装備がだんだん軽くなって、コントワー3で済むようになってきた ので、このザックはほとんど夏の縦走一回しか出番がなくなってしまっています。今回 は、これに、うまく詰めないと入りきらないくらいの食料を背負っていき ましたが…はたしてこのザック、あと何回背負うことができるでしょうか。 もう、いい加減いい年になってきましたし、いつまでも大きなザックを背 負い続けることはできないでしょう。僕の希望としては、あと四回位は背 負いたいところですが、果たして叶うでしょうか。

 さて絶好の好天を捕まえて、目の前の北岳は大晴れです。なにしろ北岳へ は三度登頂していますが、三度とも展望なし。四度目の正直かと、内心か なり期待したのですが、北岳に近づくにつれてどんどんガスってきます。今年は天気がいいのは朝の短い時間だけの様子です。結局北岳に立ったと きには、今回も何の展望もありません。何か、山は人なのでしょうかね。相性のいい山もあるし、何か嫌われている山もある。北岳はどうやら僕のことを嫌っているようだ。
 つい最近再測定されて標高が改められた北岳。山頂の山名板は、標高が三一九三mに直 されているやつが一枚と、相変わらず三一九二mと書かれているのが一枚。 木に彫っちゃったやつはそう簡単には修正できないだろうし、し ばらくは古い標高のものが掲示されたままになるのでしょう。

 北岳の山頂で、腕がパンパンになっているのに気づきます。気圧のせいで むくんでいるのかな、と思ったのですが、どうやらそうではなくて、ストッ クをもつせいで腕の筋肉がついたのです。入山時とあきらかに腕の太さが 違います。やはり山に登っていれば、山に登るなりの体になるんですなあ。 僕は今年はほとんど日帰りザックの軽荷の山行しかしておらず、ストック を持ち出すこと自体が稀でした。入山時には、今年は重荷はダメかもなあ、 と思っていたのですが、だいぶ体の方も重荷に対応できるようできあがっ てきたようです。
 ストックについてはいろいろ異論がありますが、ただ一つだけ言えるのは、 僕は三〇キロの荷物は足だけでは支えきれない。足だけで歩いたらまず間 違いなく足を痛めるだろう、ということです。そして、ストックを、持ち やすいように持つと指の皮をむいてしまいます。指の皮を温存するように、 持ち方一つさえ注意が必要です。

 北岳の山頂では少し長居をして、肩の小屋方向に下ります。このルートは 人も大勢いるのですが、両俣小屋方向へ道を折れると、途端にだ〜れもい なくなります。ふりむいて見える北岳は山頂だけガスに覆われています。 下の方の中白根沢ノ頭は良く見えており、この場所で相方と合流です。空 身で中白根沢ノ頭を踏みます。ピークの上から塩見が見えるのですが、あとは樹林帯な のでこれで見納めになります。今回は少しガスがかかっていて、ちょっと 判別しづらい状態でした。荒れた激しい下り道をガンガン下ります。北岳 山頂からわずか二時間半弱で一〇〇〇mの下りをこなすと、まもなくまも なく左俣沢へおりたちます。ここから先はだいぶ荒れている、と聞いたそ うなのですが、僕には例年通りで別に普通じゃないかな、という印象でし た。まあ確かに南アの登山道としては整備状況は良くない方のルートでしょ うが、赤ペンキも一杯あるし、特に心配が必要な方ではないと思います。
 下りきったところに左俣大滝。落差はあれど静かな場所で、いかにも南アルプスの果て、といった風情の滝です。少しこの滝を眺めたあと、両俣小屋へ向かいます。テント場はしっか り踏まれた林道の上のような感じで、綺麗に整地してあるのですが寝心地 は固め。川沿いなので一晩中水の流れる音がします。水はよく出ています ので、ここでTシャツは洗って、とにかく荷物を片っ端から広げて乾かし ます。ゴミは置いていっていいそうなのですが、まあここまで来たのでそ のまま持って帰ることにします。

 相方は別の人とおしゃべり。「あんたがたは知らないだろうけど、光岳ってところから来たの」 なんて言ってます。両俣小屋へやってきている人はだいたい変人です。何 も知らず何も語れないピークハンターに辟易しているのはわかる。僕も何かイヤミの一つくらい言ってやりたい気持ちになることはある。でも、 場所が両俣小屋なんだから、もう少し言い方があるだろうに…そうでなけ れば、黙っていればいいことです。どうせピークハンターにイチから説明 したって、わかってもらえないのですから、黙っていた方がトクだし、嫌 な思いをすることもありません。

 で、やってきました名物二つ目。荒川小屋のカレーに続いて、両俣小屋の 名物はひやむぎです。おばさん、ひやむぎ一個ちょうだい。と言ったら、 今ガス台があいてないのでできないといわれる。もう三時だから、そろそ ろ夕食の準備がはじまるだろうし、結局今年はひやむぎ断念になってしま いました。そして、今日は休肝日にします。何かのどを通る楽しみがなくて手持ち無沙汰ですが、毎日のんだくれではいけないでしょう。


*コースガイド

三国平から三峰岳を過ぎたあたりまでは手を使わないといけないような場 所が続きますが、間ノ岳〜北岳山荘〜北岳〜肩の小屋あたりはあまりしん どいようなところはないと思います。僕の地図には北岳直下に危険マーク がついているのですが、どこが危険なのか僕にはよくわかりませんでした。 花の名山でもあるので、あまり花に見とれないように、ということなのかな。 肩の小屋の手前で左俣沢方向へ折れると、今までの人の多さが嘘のように 人気がなくなります。一日で歩くのは、多分多い日で四〜五パーティ位で はないかと思います。

肩の小屋〜中白峰沢ノ頭間では、ちょっとルートファインディングが必要 かもしれません。中白峰沢ノ頭から左俣大滝間はかなり急な下りでスリッ プ注意。左俣大滝から両俣小屋間はさほど難しくないと思うのですが、何 回か渡渉しないといけない場所があり、結構多くの人が靴を水の中につっ こんでいたようで靴下を乾かしていました。

北岳山荘で水は手に入りますが、有料です。左俣大滝のちょっと上に水場 があるのですが、ここには特に水場とは書かれておらず、わかりづらいか もしれません。一時間先の両俣小屋では水がガンガン出ていますので、こっ ちをアテにした方がいいでしょう。

区切り線
写真 入浴できます。展望風呂燃料費1000円です。
写真 夜があけてまいりました。
写真 クマ。はい、熊ノ平のことです。
写真 ふりかえって、右のピークが塩見、左奥のピークが悪沢です。
写真 農鳥と間ノの間から見える富士山です。
写真 チングルマのホネホネ
写真 三峰岳が見えてまいりました。
写真 三峰岳は2999mで、あと1m足りない山。
写真 花です
写真 間ノ岳山頂は広く、そして富士山が見えていました
写真 間ノ岳の山頂
写真 仙丈ヶ岳方面をのぞみます
写真
写真 みてくださいこの快晴!でも、北岳に近づくにつれて…
写真 こっちが標高が直されてない標識。
写真 北岳の山頂に立ちました
写真 北岳〜間ノ岳間の稜線
写真 たぶん中白峰沢の頭からふりかえって撮った写真だと思う…
写真 左俣に流れ込んでいる沢。
写真 ホタルブクロですな。左俣までおりてくると、稜線とは植生が変わってこんな花が目立つようになります。
写真 両俣小屋の様子


最終更新日: 2016/07/22 by htmltophp.php




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