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八月十日(縦走十五日目) 
永楽荘〜車山〜八島湿原〜和田峠〜三峰山〜扉峠〜三城牧場

 永楽荘は下界の民宿ですから、当然朝食も下界の時間に合わせて出てきます。 七時三〇分に朝食がはじまって、食事が終わったらすぐでかけます。八時に歩 き始め。昨日靴下を洗ったので快適です。靴下はゆすぐたびに泥色の水を吐き 出していつまでも綺麗になりませんでしたが、それでも洗ったのと洗ってない のでは雲泥の差です。
 再び昨日の宿泊案内所を経て、ビーナスラインを横切ったところでポツポツと 雨がふりはじめました。ここで雨具を着込んで出発です。ほどなくして車山の リフト乗り場がやってきます。さきの永楽荘でリフトの割引券はもらってきま した。でも、ここでリフトに乗ってしまったら、徒歩で完走の目標は潰えます。 割引券とリフトとを見比べましたが、目の前のリフト乗り場を見送って、霧で何も見えない登山道の方を選びました。 雨交じりのこの天気ですから、たいして人なんか乗っていませんが、その人が 乗っているリフトを恨めしげに見ながら登山道を登ってゆきます。いったん TOPS三六〇というレンストランのわきへ出ます。ここでは車山の水?とい う水が出ているのですが、うーん、車山の水と言われてもなあ。飲んでみる気 も起きず、そのまま通過です。

 車山山頂までは一時間三〇分くらいだったでしょうか。リフト終点の脇へ出て きて、そこから二、三分歩くと山頂へ出てきます。ここはもう何度も踏んだ山 頂で感慨はありません。とりあえず気象レーダードームを見たし、山頂も踏ん だのでさっさと下ってコロボックルヒュッテでケーキセットにすることにしま す。が…この天気です。外のテラスで優雅にケーキセットなんか食べている人 なんか一人もいません。コロボックルヒュッテのドアも閉まっています。中を ちょっと覗いてみたのですが、営業しているかどうかさえ怪しい感じでひっそ りとしています。こりゃダメだ。ここでのケーキセットは諦めて通過すること にします。ニッコウキスゲはすでに終わっており、花らしきものはほとんどあ りませんでした。
 霧ヶ峰から沢渡(さわわたり)の方へ歩いていき、ヒュッテ御射山の前で雨が 上がったので雨具を脱ぎます。ここから八島ヶ原湿原の西側の縁を歩いて八島 を目指します。ちょうどヤナギランの時期だったようで、カメラを持った人が 結構出ていました。が、僕に聞くんです。この先ヤナギランあった?ううん、 あんまりなかったなあ。じゃあここで帰ろう。こらっ、八島湿原を一周する位 なんでもなかろうに。人に聞いてズボラしないで自分の足でシャッターチャン スをゲットしなさい。
 八島ヶ原湿原を抜け、登山道は鷲ヶ峰へ向かいます。鷲ヶ峰へむかう登山道の 途中で車山と八島が原湿原が良く見えました。が、鷲ヶ峰からは車山も八島が 原湿原も見えません。格好の展望台だと思ったのですが、ちょっと様子が違っ たようです。おまけに、道路のわきの登山道。ひっきりなしに車の音が聞こえ てきて興ざめです。
 さて、問題は鷲ヶ峰の先です。ここは信濃路自然歩道の一部になっているので、 まあ整備されたルートだろう、と思ったらこれが甘かった。草が登山道に一面 覆いかぶさっていて、ところどころ踏み跡が不明瞭になってしまっています。 そりゃそうだな。八島が原湿原のほうには駐車場があって、たまさか鷲ヶ峰な んていうケッタイなピークを踏もうと考える人はいるかもしれませんが、その 先駐車場もなければろくにバスも走っていない和田峠方向に縦走しようなんて 考える人はそうそういるわけがない。藪にまみれて歩くこと一時間です。二本 の送電鉄塔を次々とこえ、送電鉄塔をこえると巡視にくる人がいるのでしょう。 道がぐっと良くなります。で、コースタイム通りで歩いて、無事和田峠に下山 することができました。

 和田峠にそば屋があるのは事前調査済みです。ここで昼食にして、給水し て扉峠を目指そう。そう計画していたのですが、このそば屋、本日休業とかな めた看板を出しています。休業には勝てません。仕方がないのでそのまま進む ことにします。えっと、道標によりますと扉峠まで六.七キロ、車道の標識に よりますと、扉峠まで八キロ…なんだこの違いは。と思っていると、和田峠の 交差点をすぎたすぐの所に、「三峰山・扉峠」、と書かれた道標がありました。 昭文社の地図では、霧が峰の部分と、美ヶ原の部分は地図に載っているのです が、霧が峰と美ヶ原の間は載っていません。まあ、常識的に考えてこの間は車 道歩きだろうな、と思っていたのですが、どうやらこの間に登山道があるよう です。

 さて、どっちへ行きますか。歩道のない車道歩きは危ないし、かといって地図 も持たずに山へはいるのもどうかしている。距離は多分登山道が六.七キロで、 車道が八キロ。登山道の方がアップダウンがあるだろうから時間は同じくらい かかるでしょう。

 でも、足にダメージの多い舗装道路道を歩かないのは助かります。ここは登山道を行くことにします。登 山道を登っていって、すぐに車道に出ます。向かい側には「中山道」という道 標がたっています。扉峠への道標はなくなってしまいましたが、多分これに従っ ていけばいいのでしょう。しばらく車道と登山道とを交互に歩いていくと、な にやら東屋の屋根のようなものが見えてきます。よしっ休憩っ、と思ったら、 それは東屋の屋根ではなくて、ただの屋根つきのでかい看板でした。どうやら 峠へ出てきたようです。そこに書いてある看板いわく、→上諏訪温泉。おいお い、ここまできて上諏訪温泉へ降りてしまったらリタイヤじゃないですか。僕 は扉峠から松本へ行きたいの。あーあ、引き返すか、と思ってよく周りを見回 してみたら、右手の影のところに、→扉峠、の道標が立っていました。これは わかんないですって。これ見落としたら上諏訪温泉へおりてリタイヤだからね え。危ないところだった。

で、この道をたどっていきます。綺麗に切り開かれて、鷲ヶ峰あたりよりよっ ぽど道は整備されています。時折距離表示入りの道標も出てきて、迷うところ もありません。テクテクと歩いていって、二キロ位はよかったのですが、いけ どもいけども扉峠に近づかない。やがて目の前に大きな山が見えてきます。残 りの距離からいって、あれの手前が扉峠かな、と思っていると、どんどんとあ の山に近づいていくではありませんか。地図を持ってない弊害というのはこん なところに出てくるものです。
 しかも、名前がよくありません。三峰山、というのは、たいてい顕著なピーク が三つあるものです。散々登ったり下ったりさせられること請け合いです。
 しばらく歩いていると、右側の車道の下の方に、レストハウスらしきものが見 えて車が一杯止まっています。和田峠のそば屋で昼食を食いっぱぐれています から、あのレストハウスが天国のように見えてきました。でも、登山道はその レストハウスから外れた方へ向かっています。登山道の先にあるのは、レスト ハウスではなくてしんどい登りだったのです。

 苦しい登りをへて、まもなく山頂にやってきました。ザックを投げ出します。 三峰山はきれいな草原に覆われたすばらしいピークでした。ぐるっと一周三六〇 度の展望。諏訪湖の市街から美ヶ原まで手に取るようです。美ヶ原まではまだ ちょっと距離があるようです。扉峠はどこかな、と思って目をこらすのですが、 あまりよくわかりませんでした。もう疲れて動けませんが、山頂は長居をせず に辞すことにします。

 今日の目標は三城牧場(さんじろぼくじょう)のキャンプ場です。三峰山から 一時間少々かけて扉峠に降りてきました。目の前に車道がみえてくるといよい よ昭文社登山地図の中に復帰です。地図に出てくるとホッとするのですが、要 するにこれから松本までの長い車道歩きがはじまるということ。とにかく足を 痛めないよう足を温存するしかありません。
車道へ出て、扉峠の一つカーブをこえたところにレストハウスがありました。 事前の調査から漏れていたレストハウスだけに感慨もひとしおです。よしっここで昼 食にする。無事座り込んで、靴を脱いでリラックスです。そして、水を三杯一 気に飲み干します。ほどなくして無事に食事にありつけました。今日は行程が 厳しいので自前で食事を作っている時間がなかったのです。でも、自分で作っ ても食事が出てくるのを待っても、たいして時間は変わらなかったかもね。

 そして、コーラを一本ゲットです。僕は糖尿のハイリスクグループに属してい ます。おまけに今飲んでいる薬の副作用が、糖尿と、全く因果関係がない、と は言えないそうです。で、糖分の高い缶コーヒーとコーラはやめています。今 自宅から買い物に行くスーパーの自販機に、ダイエットペプシ(糖分〇)が置 いてあって、それにすがって生きているような状態です。
根っからのコーラ好き故、山から下りてきたときの一本だけは許すことにして います。そのコーラを一本、うまそうに飲みながら歩きます。

 あとは今日の宿泊地を目指します。扉峠の道路標識には、松本城二五キロと書 いてあります。地図を見て、まあ三〇キロってところだろうと予測していた僕 は、なんだ近いじゃん、と感じました。徒歩でいくと、重荷です。時速三キロ が精一杯ですから、だいたい八時間も歩けば到着です。

 アザレアラインという道路を下っていきますと、目の前にバス停があります。 時刻表を見ると、松本行きが一時間後にやってきます。決心が揺るぐといけな いのでとにかくそのバス停はすぐ後にすることにしました。歩道のない車道歩 きはしんどいものです。三城牧場までは、僕の見立てでは一時間少々といった ところでしょう。単調な車道歩きです。歌でも歌わなければやってられません。 幸い、こんなところを歩いている人はいません。鼻歌まじりで歩いていきます。

 が、いけどもいけども三城牧場がやってきません。バス停を二つ三つ通り過ぎ て、ついに問題の最終の松本行きバスには追い越されてしまいました。もう決 心が揺るぐことを心配する必要はありません。あとはもう歩くしかないのです。 あたりは暗くなってきます。今日は民宿発だったので、出発自体が遅かった。 さらに行動時間も延びてきています。水は持ってますから最悪路傍にテントで もいいのですが、一応ちゃんとした施設を使うのがルールなので、できればキャ ンプ場にたどりつきたい。ようやく一八時になろうかという頃、三城牧場キャ ンプ場の看板が見えてきました。あと八〇〇mと書いてあります。車なら八〇〇m は一瞬ですが、徒歩だと八〇〇mは約一八分の距離です。疲れた足をひきずり ながら下っていき、キャンプ場には六時二〇分の到着です。
もう日没まで四〇分しかありません。この時間内にテントを張って、夕食をし なければならないのです。とにかく受付をせねば、と思って管理棟へ行くと、 もう掃除が始まっています。営業はすでに終了なのでしょうが、そこはお客さ ん。まだ人がいたのを幸いに、なんとか受付を済ますことに成功しました。残 念ながら牧場アイスにありつくことはできませんでしたが、とにかく寝床だけ は確保することができた次第です。

 あとはテントを張って寝るだけです。こんなところですが、お客さんはそこそ こ入ってました。バイクツーリングの人が多いようで、心配した夜の宴もはじ まらずに意外と静かな夜がすごせそうです。バタバタと水汲みを済ませて、テ ント張って、夕食が済んだのが七時二〇分。明日も必死に歩きます。とにかく あとは寝に入ります。
 テントサイトからはすぐ真上に美ヶ原が見えています。ここからは結構切り立っ た台地に見えます。そして、頂上の王が頭ホテルの明かりが、漆黒の闇の中に 煌々ときらめいていました。
 三城牧場はフリーサイトでテント1泊五〇〇円。これが1人あたりだったか1 張りあたりだったかは忘れてしまいましたが、とにかくリーズナブルな値段で 幸いでした。

三城牧場
http://www.rurubu.com/sight/sightDetail.asp?BookID=A2900850



区切り線
写真 車山の山頂に立ちました。
写真 えっと、私はいまどこにいるのでしょう。これではわかりません。踏み跡をたどるだけの足上げ運動をやっているみたいです。
写真 八島湿原を見ます。
写真 鷲ヶ峰山頂にやってきました。が、ほとんど展望なし…
写真 扉峠まで5.8キロ。道標はよく整備されています
写真 えっと、三峰山の山頂付近を眺めています。なかなかいいピークです。
写真 松本城、25キロと書いてあります。もう少し近づいて撮りたかったのですが、道路渡るのはしんどいし、道路渡るのは危ないし…


最終更新日: 2016/07/22 by htmltophp.php




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