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八月十五日(縦走二十日目) 
三俣山荘〜黒部源流〜水晶小屋〜野口五郎小屋

 天気予報に恨み節です。天気予報によれば、そろそろ晴れがやってきてもお かしくはない筈なのですが、今日は朝から大雨です。もういい加減疲れも溜 まっていることだし、靴擦れはひどいし、今日は停滞にしようと思いつつ朝 ごはんを食べていると、少し小降りになってきました。だいぶ出かけていく 人もいっぱいいるみたいです。でかけていく人がいれば負けてられない。雨の間隙をついてテントを撤収。歩きはじめ ます。歩き始めてしまえばそんなに雨もひどくありません。なんとか烏帽子 小屋まで行って、はやくテントの中でぬくぬくしたいものです。
 三〇分ほど黒部源流の方へ下っていき、岩苔乗越へは一時間の登り。登山道 は川状になっていて、しっかり水が流れています。左へ行けば雲の平。実は 僕はまだ雲の平へ行ったことがありません。ぜひ行ってみたいとは思ってい るのですが、果たしていついけるようになることやらさっぱりです。周囲は ガスに包まれて全く展望がありません。登っていくと、岩苔乗越の少し手前 で昨日追い越された単独行の女性が前からやってきます。あれ昨日はどこに 泊まってどこに行ってきたんだろう。よくわかりません。想像するに、おお かた水晶小屋泊まりで黒岳にでも行ってきた、といったところでしょう。
 入れ替わりで僕が水晶小屋に立ちますが、この天気では、水晶岳(黒岳)へ 行ったところで仕方がありません。多分空身で小一時間あれば往復できるピー ク、今日はパスして先へ進んでしまうことにします。今度読売新道を下りに くるからな。待ってろよ、黒岳。
 水晶小屋までは歩いてきたことがありますが、ここから先は種池まで未踏の はじめて歩くルートになります。この天気で少し不安ですが、まあ稜線伝い なので多分迷うことはないだろうという信念のもとに歩き始めます。地図を 新しい図葉「鹿島槍五竜岳」に持ち替えていざ進みます。道ははっきりして いましたが、真砂岳をこえるあたりから天気は暴風雨に変わります。まっす ぐ前に進めない位の大風に叩かれるようになりました。これはまずいです。 こんな風の中烏帽子小屋まで歩いたら遭難しかねません。それに、この風の 中テントを張るのは不可能です。ザックカバーは強風にあおられて、あっと いう間に引き剥がされザックにだらしなくブラブラとぶら下がっています。 そして、内側をコーティングしているゴムらしき部材はあっという間にボロ ボロになって、あちこちが剥離してしまいました。もうダメです。こうなっ てしまったら、もうザックカバーをかけていてもザックの中に水が沁みてく ることでしょう。このザックカバーも今山行で終了。下山したら買い替えな ければならないことと思います。そんな中でも無理して野口五郎岳には立ち ます。なにしろ、北アルプスへ入ってから、ずっと峠とまきみち通しでまだ一1つもピークを踏んでいないのです。ここは無理してでも踏んでおかないと、 本当に何のピークも踏まない登山になってしまいます。

目の前に野口五郎小屋があります。今日はお盆の一番山小屋が混む日。でも この天気では仕方ありません。この日は誰も歩いていないように見えます。 きっと小屋が混雑したりすることはないでしょう。というよりも、もう小屋 が混むか混まないか、なんていうことは気にしていられないほどの風雨です。 今日はとりあえず野口五郎小屋へ避難することにしました。

靴はもうびしょびしょで、ひっくりかえすと水がしたたり落ちるような状 態です。靴の中は徳本峠をこえて以来、ずっと濡れたまま乾きません。そし て、長袖の服は、裾が雨具からはみ出していたのでしょう。びっしょりに なってしまっています。シュラフはもう乾く気配さえありません。とにか く、濡れモノは乾燥室、人間はストーブの前に陣取って、とにかく服を乾 かさないと寒くていられません。

 人心地ついたお昼すぎになると、少し雨風もおさまってきたようです。うー んやっぱり烏帽子小屋でテントだったか?少し後悔が入ります。が、とに かく歩けるような状態ではなかった。この天気でコースタイム五時間分を つめたのだから、よくやった方です。今日はここでゆっくり休養に入るこ ととします。小屋の中にいれば風雨は関係ありません。生ものの有難い夕 食を頂いて、気持ちよく寝ることにしましょう。
 夕方には、気の強いパーティが続々と上がってきましたが、結局さほど混 雑することはありませんでした。烏帽子小屋まで上がってきたものの、今 日はダメだと引き返したグループや、はじめから諦めて帰ったグループな どが多かったそうです。まあ、この天気ではまともに外を歩かない方が正 解でしょう。
 夕刻に、小屋の前をライチョウが歩いている、なんて声がかかります。何 人かは見にいったようですが、ライチョウなんか南アルプスで散々見てき ました。いまさらこの雨の中小屋の前まで出て行く気にはなれません。だ んだん感動の薄い人間になってしまったようで自己嫌悪です。
 どんな山旅が、感動を呼び起こしてくれるのでしょう。
 今後、どんな山旅を指向していけばよいのでしょう。僕は今、それに迷っ ている状態なのかもしれません。


区切り線
写真 昨年に引き続いて今年も黒部源流の碑がやってきました
写真 うーん、どっかのピークを見上げたところだとは思うのですが…なんだろう。比較的天気もいい場所だと思うのですが
写真 野口五郎岳の山頂です。写真で見ると平穏ですけど、それどころではありませんでした。
写真 ごちそうさまでした。おいしかったです。

さて何を食べたのでしょう。想像にお任せします。


最終更新日: 2016/07/22 by htmltophp.php




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