サイトマップ | 更新停止のご案内 | このサイトについて

   

8月7日

喉が渇いて目を覚ます。朝1時半頃だっただろうか。テントから 顔を出すと、ちゃんと晴れているので安心して、1口水を含み二 度寝を決め込むが、だいたい早着のテントは早出と相場が決まっ ていて、3時半にはやっぱりあの早着のテントが出発の準備をし ている。なにしろ薄い布1枚隔てたところでやっているから、静 かにしていたところで確実にわかってしまうし、まして気にもか けないようだと寝ていることもできない。
今日は水の消費量を抑えるため、朝早い時間にスタートして、日 があがる前に塩見小屋で水を確保したいので、僕も早出のつもり だったが、さすがにまだちょっと早い。しかし、先に出る団体が あるとなれば僕も黙ってはいられず、出遅れだ、と思ってさっさ と出発の準備。ヘッドライト片手に出かける。
2日目を歩き終わって、左足かかとに靴擦れ1。右足かかとに痛 み。左足膝もちょっと痛いようだ。さすがに2日連続の長い行程 は体にこたえている。
今日から地図は2枚目。距離はかなり伸びてきたが、1枚目の地 図にも三伏峠はのっているので、今日三伏峠まで行けば明日以降 は名実ともに南部へ足を踏み入れたことになる。
午前4時に雪投沢をスタートする。最初の、登山道へ戻るまでの 道が足場が悪くしかも崩れやすい。下りも辛かったが、のぼりは もっと辛く、最初から這ってあがるような状態だ。足場が悪いだ け、と無視して元の登山道へ戻ると、思ったとおり気持ちよく歩 けるじゃないですか。空は若干白んでいるのでライトなしで歩け るくらい。気持ちよく登っていくと、北俣岳で追いついた。何を しているのかと思ったら、なんとご来光。思いもかけず山頂で太 陽を見ることができた。美しくすっと伸びた北荒川への稜線にも 光があたってきた。
やはり早出はいいものだ。ちょうど日の出る4時55分に北俣岳 に到着し、綺麗に見える富士山を暫く堪能したあと学生団体を追 い越させてもらう。塩見本体へは若干下りて登らないといけない が、別段苦しいところもなく、意外とあっけなく3000mの先 端に立つことができた。反対側、即ち塩見小屋に泊まって空荷で 登ってくる人が多いようで、塩見の山頂、10人も立てば一杯に なるような狭い山頂に数組の人がすでにいた。
塩見は双耳峰で、高いほうが今たっている東峰。3分も先にある 三角点のある低いほうが西峰。ここまできた、という感もあるが、 まだ学生団体もくるのと、水の足枷を抱えているので、写真だけ とってさっさと先へ進む。左側にはおおらかな山容の蝙蝠岳。緑 に覆われているが、草木なしということなので、これはハイマツ なのだろう。綺麗で登高意欲をそそられる山だ。もっとも、北俣 岳から往復6時間、二軒小屋から登り7時間と言われれば、そう 簡単に行きましょうといえる山ではない。
そして西峰から見える手前の高いやつは・・・・なんだあれは! 300m下の塩見小屋の手前になにか妙に高いやつが聳えている。 そんなのあったっけ?ともかく下らなければ仕方がないので、ほ とんど手足を使って下りる、僕の人生のような崖っぷちを下降。 すれ違った人によれば、あれは巻く、ということだったが、若干 登っている。下ってくる人の言う「登りはたいしたことないです よ」は本当に信用できなくて、下っているのに平坦だと思ってい る人もいるし、そうでなくても、あと15分、が30分かかるこ と位別に珍しくもなんともない。
とにかく、一般ルートとしてはかなりシビアな下りを下り、例の 高いやつの南面を通ると、小一時間ほどで塩見小屋へ出る。足場 がかなり崩れやすく、落石を起こしそうだ。石落ちるかもしれな いので、などと下の登山者に声をかけながら下るようだ。しかも 足のおき方が少し悪いとずるずると止まらず、かなり神経を使う 様相だ。
三伏峠へは鳥倉林道を目一杯車を奥へ走らせると3時間ほどで登 れるので、塩見へ登るには初日塩見小屋へ入って、2日目朝塩見 岳へ登り、その日のうちに下山、というのが多いようだ。その只 中へ入ってしまったようで、久々にこのあたりで中高年者を沢山 見た。中には軽装でザックすら持たない人も。ちょっとお気楽に も程があるかな、と思いつつも、僕自身結構お気楽なので人のこ とは言えないことに気づいてしまった。
塩見小屋、といえば、あの岳人の南ア特集で紹介されたあの小屋。 テント泊ではちょっと食料が足りない様子なので、途中2回程度 小屋泊にする予定なのだが、その筆頭候補が塩見小屋だった。が、 北岳山荘から塩見小屋へテントを背負っての移動はさすがに辛い。 ラーメンだけ食べさせてもらう。朝食のない(朝食を作れるほど 水を持っていなかった)早立ちだったので、ここで元気回復。下 界で168円は、山上では300円位かな、と思ったら、500 円でした。さすがに日本でも最も深山の1つなので、北岳とは勝 手が違うかな、と納得。水はわけてもらえるんですか?と聞くと、 500mlあたり100円とのこと。三伏峠まで2時間半かかる ことを考えると1L欲しかったのだが、500でいいですか?な どと聞かれて、1Lください、とは言えなかった・・・
まだ早い時間なので気温も上がらず、ここからは下る一方なので 特に問題にもせず先に進むことにする。
塩見小屋からは今登ってきた塩見岳が見えるのだが、東西方向か ら見る塩見は南北方向から見る塩見と違い、急峻ではあるがいま いち威厳がないような気がした。先ほどこえてきた、なんだあれ は!はどうやら天狗岩というらしいことも確認。
塩見小屋から先は森の中。先行者がいたのでついていくが、この 先行者が足が速い。下って下って、道を間違えたかと思うくらい 下って、登山道が大きく向きを変える頃から登りに変化。尾根が 広いのでどこで尾根にのったかははっきりしないのだが、かなり 木が薄くなってきて明るくなってくる。さほどきつくない登りを こえたところが本谷山だ。標高は2657mなので、小屋から 300m下って200m登り返した計算だ。本谷山からは中央ア ルプスが綺麗に見えている。反対側には塩見岳。軽く荷物を下ろ して小休止した。あとは200m程度下るだけ。と思いつつもこ れが憂鬱。明日のぼり返さないといけないのだから。
30分ほど細い尾根を下ると、三伏峠小屋と三伏小屋の分岐。三 伏峠の方が高い位置にあるが、水がないのは反対からきた登山者 から確認済みなので、利用するのは三伏小屋。こちらには水があ るのは確認済み。分岐のところで、塩見小屋からついていった先 行者とおわかれ。左へ入るが、左へ入ったとたん・・・道悪い。 全然踏まれていない様子で、通るのも困難な場所がいくつも。道 も極めて細く、ところどころはっきりしないところもある。
いやあこんなにも違うものか、と思って下っていく。CTで1時 間とかかれているが、本谷山から30分少々で着いたように思う。 三伏小屋へついたのはおよそ9時半。なんとも淋しい場末の狭隘 で、展望といえば本谷山が見えるだけ。ドラゴンクエストの岬の 灯台を地でいったような寂しさだ。地図の端に書かれた地。荒れ 果てた小屋。崩れ落ちそうなトイレ。放棄されたように置かれて いる焼きかけのゴミ。そして左右には森。行く末のコルは高く、 山はもっと高い。空は狭く暗くそして高い位置にいる。上へ抜け る登山道はここからは見えない。10張程度で一杯になりそうな テント場には3張のテントがすでにあったが、そのうち2つには 人がいるのかいないのかすらわからない。放棄されてしまった集 落のように、以前そこに人がいた証だけがひっそりと息づく。そ して止まってしまったように流れるのが遅い時間。
ここが一晩のすみか−

暫くそのあたりにぼーっと座って午前のひと時を過ごす。やがて 登山者が下りてくるが、どうやら彼等はそのまま通過するようだ。 ちょっと暇だったので、かなり濡れかかっているシュラフやらテ ントやらを干して、着ていたTシャツを洗った。靴下もかなり湿っ ていたので干した。
11時頃から続々と登山者が集まりはじめ、昼過ぎにはテントを 張る場所もない位になる。反対側からきた登山者に、台風の状況 を聞くと、それたみたいですよ、だって。それなら小河内岳避難 小屋まで行っておけばよかった。
午後には早々に雨も降り出してきたので、さっさと寝る。シュラ フとテントは乾いたが、残念ながらTシャツは濡れたまま。明日 ザックに括りつけて歩きながら干すことにする。
4時頃幕営料の回収にやってきたので、お金だけ払って再度寝。 雨と雷はかなりひどかったようだ。

水       100
ラーメン    500
幕営料     600
-----------
7日 1200

8月7日の写真
※三伏の小屋・テント場は閉鎖になった模様ですので、三伏峠のテント場を使用してくださいとのこと。(2003.8.8記載)

最終更新日: 2016/07/22 by htmltophp.php




mixiチェック

mailto:mailaddress

tozan.net - http://tozan.net