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10日

今日は5時出発、ということなので、比較的遅い時間まで 寝ていられる。僕のテント場は通路の真ん前なので、3時 過ぎになるとかなりガサガサと水場へ行ったり、もしくは 移動したりする音が聞こえたのであるが、ここは知らん振 りを決め込む。歩いて通過するだけなので、隣でこんろを 使われたり、まして喋られたりテントを畳まれたりするよ りはずっと静かだ。4時半頃まで寝ていて、しっかり朝食 を食べる。隣の人はちょっと出発に手間取っているような ので、おさきにどうぞ、ということで先の出発。先に行っ たほうがいい写真が撮れると、という話だったのですが、 今日は空の色が白っぽい。あまり写真向きの空ではないよ うだ。カメラもあまり活躍の場がないので、ゆっくり上が る。説明書きによると、百間洞から大沢岳と中盛丸山の間 のコルまでの所要時間は50分とある。あまりペースをあ げない、というか、もうペースがあがらない。それでも4 5分位で最も高いところに辿り着いたので、意外といけて るのかな、と思ったら、そこは単に支尾根を乗り越すとこ ろで、稜線はまだ20分近く先。要するに、稜線に出るま でに1時間5分もかかってしまったのだ。
稜線に出たところで昨日百間平で会った2人組発見。どの くらいで登ってきたか聞いてみたところ45分だって。い やあ早い早い、っていうか、少なくとも追い越されなかっ たから、ここに20分近く座っている計算。もしかしたら 僕の出発時間の記憶違いなのかもしれない。
今日は猛烈に風が強い。秋のような乾燥した風が音をたて、 服を引っ張ってバタバタさせている。高所登山の映画で、 あの山頂で旗を持って記念写真を撮る、あの旗がバタバタ バタ、と音を立てる、あの感覚そのままである。
頑張りましょうと言って別れて、僕は水だけ口にして立ち 休みのみで中盛丸山に取り付く。綺麗な錐形の気持ちのい い山だ。砂礫地のつづら折りの登山道を登る200m近く はコースタイムで30分くらい。中腹までいって、そろそ ろかなあ、と思って振り返ったところで彼が登ってくるの を発見。今日はえらく風が強いので、彼は1枚上を着るよ うだ。僕がほぼ山頂に到達する頃、彼はコルを出発。要す るに30分の差ができてしまった。で、対斜面をまさに下 ろうとしたところで昨日3030ピークで追い越した彼を 発見。兎平避難小屋(荒廃)泊まりかも、などと弱気の発 言をしていた彼に、「今日は這ってでも聖平へいくんです よね」なんて言ってみたら、そのつもりで朝も食べずに早 く出てきたんだけどもうちょっと動けないみたいで、これ から朝食、なんて話。あの狭いところで器用だなあ、と思 いつつも僕は先へ進み、順調に小兎岳の100mの登りを こなし、下ったところにうわさのテント場発見。聖と百間 洞の間に水場があってテントが張れるようになっていると は聞いていたが、区画まできって整地してある状態。これっ て、はっきりいって指定地並みの整備である。勿論ここに テントを張るのは違法であるが、これは、知っている人は 使うわ、と思わせるようなサイトだった。
風の方はすでにほぼ収まり、非常に快適な稜線歩きに変わっ ていた。続いて、聖岳手前では最も大きい山、兎岳に取り 付く。もう歌も出るほど調子が良く、僕が取り付くとき兎 岳の中ほどにいた学生団体のうち、山頂へ行くまでに後ろ の3人を捉える。今日はなかなか快調のようだ。トレイル も砂礫の気持ちのいいところだ。さっさと登って、一旦休 憩。かなり辛そうな学生さんも兎岳山頂で休憩。僕も一旦 ザックを下ろして三脚をたてて記念撮影なんかをしている。 彼等、結構大荷物だったので、北岳からですか?と聞いた ら、いや三伏からだ、とか。じゃあ光まで行くのかな、と 思ったら、いやもう下ります(笑)
無駄に重い荷物を背負っていると自分達で言っていました が、まあ無駄が人間を成長させるので(笑)
で、ちょっと休んでいる間に彼は追いついてきたので、一 応追いついてくるのを待って、僕は兎岳の三角点へ。片道 10分を空身で行くと5分位。ところが、ここまで行く人 は極めて少ないようで、なんとルートファインディングま でする始末である。しかし、ここから見た山容は、兎岳を 中心に左右に赤石と聖、というゴージャスなもの。僕も気 まぐれで行ったんだけど、実に良かったです。
で、戻って先に行かせてもらう。学生さん達はすでに先に 行ってしまったようで、兎岳避難小屋(荒廃)のあたりを 下りている。後で気づいたのですが、この団体、きっと百 間洞のあの上のテント場でテント張っていた学生達でしょ う。兎と聖の間の細いコルのところで再び追い越させても らった。結構な荷物を背負っている割には技術的にはあま り高くない、もとい、慎重に歩を進めているようで、僕が 前向きのまま手をついて足を出しただけで下りるような、 1mくらいの段差を3点支持で下りているので、結構時間 がかかっているようだ。ここは両手を使ってかなり強烈に 下るコルで、最終的に2600mくらいまで下る。あとは 2時間弱、400mの登りなのだが、これがいきなり強烈。 取り付き点は左右がすっぱりと切れ落ちていて、いきなり 両手で登る!まっすぐ落ちても10m。横に落ちれば500 m。うーん危険だ。ということで慎重にならざるを得ない が、15m位そんな感じで登ったあと、ようやく足で登る 場所にたどりつく。それでも結構手を使う場所が多く、あ まりペースが上がらない。まあ今日はあと400mさ、と 思いながら焦らず進むと、やがて横の斜面に回りこみ、よ うやく砂礫の登りやすい登山道に変わる。一旦コブの上に 出て、右側がかなりきれ落ちている場所を登り切り、ハイ マツ帯に入って暫く上がったあと砂礫の道を上がったとこ ろで2796の瘤の上に出る。ここがニセピークであるこ とははじめから承知していたので、一旦ここで休憩を入れ る。彼はちょっと下で休憩したので、もう少し先へいくと 言う事なので、僕も再び登りに。ここから先はもう200 mちょっとしかないので、ここまで登ってしまえばあとは 比較的楽に聖岳に立てる。聖岳コルにいた頃には、赤石の 山頂はガスが覆っていたので、聖岳も時間の問題か、と思 わせたが、幸いにも山頂に着くまで晴れ渡っていた。到着 後すぐガスが上がってきたので、曇らないうちにというこ とで、奥聖往復。前聖の方が標高が高いこともあって奥聖 まで行く人は少ないが、この稜線、ほとんど標高差もなく 快適に歩けるフィナーレにふさわしいプロムナードであり、 ここまできたら行かない手はない。南に見える立派な山は 上河内岳。「かみこうち」といえば、神降地こと上高地が 綺麗な場所。明日はあの上河内岳を踏んで、いよいよ下山。 最高の稜線歩きを楽しんで戻ってくると、あたり一面ガス に覆われ展望がなくなってしまった。同行の彼はさっさと 下山し、先ほど追い越した2人組も、学生も相次いで登頂。 ほんの20分前は赤石岳も兎岳もバッチリ見えていたのに、 残念でした。
ここから先は地図上にも危険マークが書かれている場所な ので注意して、と思ったら、要するに砂礫の大斜面をつづ ら折りに下るところ。スリップ注意ということらしいが、 特に危険はなさそうなので走り下りる。小聖岳まで350m の下り。さすがに足にはこたえているが、最後の3000m 峰を登った後だけに気力充分。霧の中で大下りを下り、崖っ 淵に出ると、そこは水場。水場までの足場はきわめて悪く、 その下は地の果てまで続いていることもあって、ここはそ のまま通過。小聖の登りをこなして森の中へ入る。そこか らもう350m下り、聖平の標高は2300mにあたる。 同行の彼は妙に早い。こっちも殆ど走り下りるようなペー スなのに離される一方。あんまり早いんでこのへんがどん な地形になっているか見る余裕もなかった。
うんうん唸りながら先へ進んでいくと便が島方面の分岐の ところで休憩中。別の1人も追いついてきて、5分ばかり 話し込む。だいぶ南アルプスっぽくなった感じの森の中を 抜けて最後は聖平へ駆け下りた。
で、相次いでテント受付。彼の年齢欄、十1って見えたん で、「?」と思ったら、41歳でした。げっ!
40過ぎて短パンでテント背負ってくる人は僕はじめて見 たし、そのテントも4kg位ありそうなやつ。僕が使って いる85gのチタンバーナーに対してオプティマスは500g 以上ありそう。それで僕と同じかそれより速い。
もう、何かガラガラと音を立てて崩れていくものが・・・
年上だろうとは思っていたけど、いいとこ30〜32位、 場合によっては28?とか思っていただけに、かなりショッ ク。高校生の頃オプティマスといえば、中村みつをさんの 世代であって、僕等の世代とは違うもんなあ。少なくとも 僕等が高校生の頃にはEPIやプリムスの300gくらい のガスバーナーはあったもんね。
ちなみに、彼は僕のこと、30代だと思っていたそうで。 聖平はとても広くて気持ちのいい場所だ。水場、トイレも 整備されている。彼が言うには先週はテント場も一杯だっ たが、今日木曜日はそうでもなさそうとのこと。テント場 からは聖岳も見えるようなのだが、残念ながら現在は完全 に霧が覆っている。30分到着が遅かったら僕等は展望が 望めなかったわけで、非常にラッキーだった、といえる。 そんなこんなしているうちに例の学生団体到着。先発隊が すでについているようで、うちのメンバー見ませんでした か、などと聞かれたのですが、さあ、団体でいればわかる けど・・・
追い越した彼はどうやらまっすぐ聖沢の方へ降りるという 話。2人組の方は僕等と同じ畑薙ダム方向へ。明日掟破り の10時間のコースタイムを歩ききれば下山、ということ で、緊張しながらも下界気分が盛り上がる。下山の前祝い ということでここでも乾杯。完全にのんだくれ状態である。 日が差してきたので、シュラフを干して外でゆっくり横に なって食事。聖のガスもここまでは届いていないが、夕方 までには完全にガスに覆われる。残念ながら今日も夕日は ダメでした。

幕営料     500
ビール     600
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10日    1100

8月10日の写真

最終更新日: 2016/07/22 by htmltophp.php




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